大判例

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大阪地方裁判所 昭和39年(わ)4110号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(罪となるべき事実)

被告人は(第三)昭和三九年六月中旬頃同区同町三丁目二一番地の当時の被告人の自宅において、増田八重子(二三才)との間で、同女においてみぎ被告人自宅において客待ちの上被告人の指示により附近の旅館等において遊客を相手に売春を行ない、その対償を分配取得する旨を約し、以て人に売春させることを内容とする契約をなしたものである。

(主たる訴因についての判断)

本判決第三事実の主たる訴因は「被告人は昭和三九年六日中頃より同年一〇月一二日頃までの間増田八重子(当二三年)を大阪市西成区山王町二一番地の自宅四帖半の間に午後七時頃より一一時過頃まで客待ちさせ、附近の旅館等において不特定多数の遊客を相手に売春させてその対償を分配取得し」「以て人を自己の占有する場所に居住させ、これに売春させることを業とした(売春防止法第一二条違反)」というにあり、右具体的事実そのものは本判決第三の事実確定に供した各証拠により優にこれを認めることができるが、右客待ちの事実が法律上の「居住」に該当するものと解することことができない。尤も居住させるとは必ずしも現実に当該場所において平常寝食起臥させることのみを意味するのではないと解せられるし、当該場所で毎日客待ちさせることも売春の招来に対し現実に起居させると類似した作用を営むことは否定することができないが、それにしても「居住」という以上は生活の本拠たるべき事実関係が必要であると共に本件の客待ちの場合は売春の都度婦女が自宅より当該場所に自らの意思で赴くことを要するのであつて婦女の意思に与える影響力に差等があり、刑事法規は明白な根拠のない限り文字本来の意味を超えて解釈すべきものではないから、右客待ちの程度では居住に該当しないものと認め、本位的訴因を排斥し予備的訴因を採用した次第である。(今中道信)

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